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扶養控除等申告書に記載する所得控除(障害者控除)

引き続き、年末調整で給与所得者の扶養控除等申告書に記載する所得控除についてご説明します。

今回は、「障害者控除」です。

扶養控除等申告書に記載する所得控除として

配偶者控除については、平成30年分の年末調整における留意点(配偶者控除の改正) を 扶養控除については、扶養控除等申告書に記載する所得控除(扶養控除) をご参照ください。

 

障害者控除とは

概要

障害者控除は、「納税者本人」、「同一生計配偶者」、「扶養親族」が障害者に当てはまる場合、一定金額の所得控除を受けることができます。

※ 同一生計配偶者とは、簡単に言うと、一緒に生活している配偶者で合計所得金額が38万円(給与年収103万円)以下の方のことをいいます。

 

障害者控除の対象者

障害者控除の対象となる障害者には、障害の重さで「障害者」「特別障害者」の2種類がございます。

イメージとしては以下の通りです。

・障害者

軽度、中度の障害者の方。身体障害者手帳に3級以下の記載があれば、基本的に障害者に該当します。

 

・特別障害者

精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者、重度の知的障害者の方。

身体障害者手帳に1級又は2級の記載のある方は、基本的に特別障害者に該当します。それ以外には、常に就床を要し複雑な介護を要する者等も特別障害者に該当します。

 

詳しくは、国税庁ホームページ:障害者控除 をご参照ください。

 

 

障害者控除の金額

障害者控除の金額は、以下の表のとおりです。

区分 控除額
障害者 27万
特別障害者 40万
同居特別障害者 75万

国税庁ホームページ:障害者控除 より引用

 

同居特別障害者とは、特別障害者の方で納税者自身、配偶者、生計を一にする親族のいずれかとの同居している方です。

同居特別障害者になると、控除額も大きくなります。

 

留意点、ポイント

・16歳以下の扶養親族でも障害者控除の対象となる

16歳以下の扶養親族は扶養控除は対象外ですが、障害者控除は対象となります。

 

・身体障害者手帳の交付申請中でも一定要件を満たせば障害者控除の対象となる

身体障害者手帳等の交付申請中、医師の診断書があること等の要件を満たす必要があります。

 

・特別障害者である同一生計配偶者または扶養親族について、同居特別障害者に該当するか所得者本人に確認する

同居していれば、障害者控除の金額が大きくなります。

 

・障害者手帳がなくても市町村長の認定を受ければ障害者控除の対象となる

障害者手帳を持っていなくても、65歳以上で認知症など一定の状態にある場合、申請を行うと障害者控除認定を受けられる場合があります。

 

扶養控除等申告書への記載の流れ

平成30年分の給与所得者の扶養控除等申告書については、こちらをご確認ください。

障害者控除の扶養控除等申告書への記載の流れは、以下の通りとなります。

 

1.納税者本人、生計一の配偶者、扶養親族の中で障害者となる人はいないか確認

 

2.障害者控除の対象がいた場合、扶養控除等申告書の「障害者、寡婦、寡夫又は勤労学生」の欄の障害者の部分にチェックをつける

 

3.該当者(本人、同一生計配偶者、同居特別障害者)、区分(一般の障害者、特別障害者、同居特別障害者)で該当する部分に〇をつける(扶養親族については人数も)

 

4.「下記の内容」欄に状況を記載(身体障害者手帳の3級の交付を受けている 等)

 

まとめ

最後に、障害者控除についてまとめます。

・障害者控除は、納税者、同一生計配偶者、扶養親族が障害者に該当する場合受けられる

・障害の程度で、障害者、特別障害者に区分される(障害者控除額も異なる)

・16以下の扶養親族も障害者控除の対象となる(扶養控除は対象外)

・障害者手帳を持っていなくても、市町村の認定を受ければ障害者控除の対象となる

 

税理士 礒部雄大

 

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